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大崎梢:クローバー・レイン [読書]

入手するのに時間がかかりましたが、6月の新刊です。

大崎梢さんお得意の書籍もの。

主人公は大手出版社の若手編集者。
彼が見つけた未発表の新作に関するお話です。

ヒット作に恵まれないベテラン作家、訳あって疎遠になっている娘、別れた妻

上司の編集長や同僚、営業部隊の仲間、競合誌のライバル

幼馴染みや郷里の家族

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この登場人物がどのように結び付けられていくのかが一つのポイントですが、もう一つ興味あるところは作中作ともいうベテラン作家が書いた新作です。
読めばポロポロ涙があふれる、ということです。

残念ながら涙ポロポロではない軽いタッチの書店ミステリーや児童書で一ジャンルを切り開いている大崎さんですので、ベテラン作家の力作をどのように表現するかに注目しましたが・・・・・見事に避けております。

ただ、主人公の編集者クンが口にした
「・・・・・、雨になれない自分を、あなたに嘆いてほしくない。あなたの上にこそ、やさしい雨は降るのだから」
というセリフに普段とは異なる筆致を見ました。

出版界の経済事情(ボツ原稿や重版など)にも触れているのが興味を持って読めた一因かもしれません。
ようやくこの辺りにも踏み込んでいただけました。

多くの登場人物がどのようになっていくかですが、最後の最後に
アレッ!こういう結末ですか!
という締めくくりに驚きました。

ミステリーではないミステリーですね。

さて、装丁の男女は誰と誰でしょうか?

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